先に結論から
- 中小企業基盤整備機構は、事業承継・引継ぎ支援センターで成約した譲渡企業の約7割が小規模事業者だったとしている(令和6年度の実績)
- 後継者人材バンクは、後継者のいない会社・個人事業主と、起業したい人を引き合わせる。引き継ぐ人にとっては、お客さんや仕入れ先、店舗をそのまま引き継げる
- 東京都のセンターは、民間の会社では取り組めないような小さな案件の相談も受けると案内している
「うちくらいの店を、買いたい人なんていない」。譲ることを考える前に、そう思ってしまう人は少なくありません。
国の相談窓口の実績を見ると、小さな店や会社の譲渡も珍しくありません。
国の窓口で成約した譲渡の約7割は、小規模事業者
中小企業基盤整備機構は、事業承継・引継ぎ支援センターの第三者承継の支援について、次のように案内しています(令和6年度の実績)。
- 相談件数は127,000件を超える
- 成約した譲渡企業の約7割が小規模事業者
センターは、譲渡の進め方の助言や譲渡先の紹介をし、条件のすり合わせや書類づくりに要る専門家を紹介します。センターに登録された民間の M&A 仲介会社や金融機関を紹介することもあります(民間の支援は有料です)。
東京都のセンターも、民間の会社では取り組めないような小さな案件の相談や、個人事業主の相談を受けると案内しています。
後継者人材バンク:起業したい人に、店を引き継いでもらう
センターには「後継者人材バンク」という仕組みもあります。中小企業基盤整備機構の説明では、創業を目指す起業家と、後継者のいない会社や個人事業主を引き合わせ、創業と事業の引き継ぎを支える事業です。
| 引き継ぐ人(起業したい人) | 譲る側(後継者のいない事業者) | |
|---|---|---|
| よいところ | お客さん・仕入れ先・店舗を引き継ぐので、起業のリスクを低く抑えられる。地域での知名度や経営のノウハウも引き継げる | 続けてきた事業を絶やさずに次に渡せる。従業員・取引先・地域の期待に応えられる |
| 気をつけるところ | 一から起業するより、経営の自由は小さくなる。経営の方針をすり合わせる必要がある。立地や規模が限られる。個人保証の債務を引き継ぐ場合がある | 親族に継ぐときと違い、いろいろな条件を取り決める必要がある。思いを分かってもらうまで時間がかかる場合がある |
(中小企業基盤整備機構「第三者承継支援について」の説明をもとに表にしました)
東京都のセンターは、この事業は雇用のあっせんではなく、後継者のいない事業主の経営者の候補として、創業希望者を引き合わせるものだと説明しています。
小さな店を譲るときに、先に確かめること
- センターに相談する:小さな案件でも相談を受けます。相談は東京都の場合、無料です(事業承継・引継ぎ支援センターの使い方)
- 民間の会社を使うなら、最低手数料を見る:小さな案件ほど、成功報酬の率より最低手数料が効いてきます(手数料の決まり方)
- 店の建物がだれのものかを確かめる:親の名義の建物で店をやっているなら、建物をどうするかも一緒に決めることになります(店と家が同じ建物のとき)
よく聞かれること
- 個人でやっている店でも、譲れますか?
- 中小企業基盤整備機構は、後継者人材バンクの対象に個人事業主を含めています。東京都のセンターも、個人事業主からの相談を受けると案内しています。譲れるかは店によるので、まずセンターで相談します。
- 赤字の店でも、譲れますか?
- このサイトでは確かめられていません。センターで、店の状況を見てもらいながら相談してください。
出典
確認日:2026-11-02