先に結論から
- センターは各都道府県にある国の相談窓口。東京都のセンターは、相談は無料・予約制・秘密厳守と案内している
- できることは、M&A の相談、仲介会社と契約する前のセカンドオピニオン、譲り受けたい会社の紹介、M&A 支援会社の紹介など。相手との条件の交渉はしない
- 東京都のセンターが受けるのは、ほかの人や従業員に譲る相談。家族が継ぐ相談は、東京商工会議所の窓口が受ける
「事業承継・引継ぎ支援センター」は、各都道府県にある国の相談窓口です。中小企業基盤整備機構は「国が設置する公的相談窓口」と案内しています。
M&A の仲介会社に声をかける前に、ここに一度相談しておくと、相場や進め方の見当がつきます。仲介会社と話が進んでいる最中に、セカンドオピニオン(別の立場からの意見)を聞きに行くこともできます。
何をしてくれるか(東京都のセンターの場合)
東京都のセンターは、支援業務を6つに分けて案内しています。
| 支援 | 中身 |
|---|---|
| M&A よろず相談 | 譲れる見込みはあるか、評価額はどのくらいか、何が課題になりそうか。仲介会社に頼む前のセカンドオピニオンも |
| 従業員承継のアドバイス | 経営者だけでなく、引き継ぐ側の役員・社員からの相談も受ける |
| 相手が決まっているときのアドバイス | 当事者どうしで合意したあとの、進め方や手続きの助言 |
| 候補先の紹介 | センターに寄せられた「譲り受けたい」会社の中から紹介する |
| M&A 支援会社の紹介 | 一定以上の業歴と成約実績を持つ民間の M&A 支援会社を紹介する |
| 後継者人材バンク | 創業を目指す人と、後継者のいない会社・個人事業主を引き合わせる |
センターがしないこと:東京都のセンターは、M&A の相手との条件の交渉や質問のやりとりはしないと案内しています。そこから先は、希望に応じて M&A 支援会社や専門家を紹介する形です。契約書の作成や株価の計算を専門家に頼むときは、その専門家の手数料がかかります。
家族が継ぐ相談:東京都のセンターが受けるのは、ほかの人や従業員に譲る相談です。家族が継ぐ相談は、東京商工会議所の「ビジネスサポートデスク」が受けると案内されています。ほかの県のセンターは、家族が継ぐ相談も受けると案内しているところがあります。相談の前に、実家のある都県のセンターに確かめてください。
相談の流れ(東京都のセンターの場合)
- 予約する:完全予約制。メールのフォームか電話で申し込む。原則2営業日までに、面談の日時の連絡が来る
- 面談する:中小企業の M&A の実務にくわしい専門家が、秘密厳守で話を聞く
- 紹介を受ける:相手探しを希望すれば、センターに「譲り受けたい」と寄せている会社や、実績のある民間の M&A 支援会社を紹介してもらえる
持っていく書類:M&A 全般の話を聞くだけなら、書類は要らないと案内されています。具体的に相談するときは、直近の決算書(勘定科目の明細つき)と会社案内です。
子どもが相談するとき:東京都のセンターは、親族や従業員からの相談も受けます。ただし、代表か株主の人の同席を頼んでいます。商工会議所の会員でなくても使えます。
一都三県の窓口
| 都県 | センター | 電話 | 場所 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 東京都事業承継・引継ぎ支援センター | 03-3283-7555 | 千代田区丸の内 |
| 東京都(多摩) | 東京都多摩地域 事業承継・引継ぎ支援センター | 042-595-9510 | 立川市曙町 |
| 神奈川県 | 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター | 045-633-5061 | 横浜市中区 |
| 千葉県 | 千葉県事業承継・引継ぎ支援センター | 043-305-5272 | 千葉市中央区 |
| 埼玉県 | 埼玉県事業承継・引継ぎ支援センター | 048-711-6326(本部) | さいたま市浦和区(熊谷にサテライト) |
相談するのは、店や会社のある都県のセンターです。東京都のセンターは、都の外の会社には、近くのセンターを案内することがあるとしています。親の店が遠くにあるなら、そこのセンターに、オンラインで面談できるかを聞いてみてください(東京都多摩・神奈川・千葉の各センターも、無料・秘密厳守で相談を受けると案内しています)。
よく聞かれること
- まだ誰に引き継ぐか決めていなくても、相談できますか?
- 東京都のセンターは、方向が決まっていない段階でも、早めの相談を勧めています。今の状況を整理し、考えるときのポイントを助言すると案内しています。
- 相手がもう決まっているときも、相談できますか?
- できます。東京都のセンターは、専門家の手を借りずに当事者どうしで進めると、あとでトラブルになるおそれが大きいとして、譲り終えるまでの段取りを助言すると案内しています。
出典
確認日:2026-11-01